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2017/06/05

ソニーのステレオラジカセ・ジルバップ

昭和50年代

16cmウーファーと5cmツイーターの2ウェイ4スピーカーを搭載した、発売当時のステレオラジオカセットの最高峰。左右のツイーターや中央部のLRレベルメーターが際立つようなデザインは大きな話題を呼び、「ジルバップ」の愛称でベストセラーとなりました。スピーカーの開口率を上げ、キャビネット構造は音質重視の設計を採用。操作キーをフロントに下ろすことで、コンポーネント感覚も強くアピールしています。

ソニーのホームページから引用。 →ソニーのジルバップのページ


ソニーから発売されたステレオラジカセ、ジルバップ。
全部で8機種が発売された。ドデカホーンが出るまでは、このジルバップシリーズが最高数を誇っていた。
ジルバップのヒットで、それまでのモノラルラジカセ中心のラインナップからステレオラジカセがメインになっていった気がする。
以下、発売順にまとめてみた。

ジルバップ


CFS-6500
昭和52年発売。
定価57,800円。

初代ジルバップ。
この機種がヒットしたのだろう。
その後続々とジルバップを名乗るラジカセが作られた。
どのジルバップも最上位機種ではなく中間機種だった。よくある例で、消費者は高いものと安いものの間に挟まれた中間のものを選びやすいというが、ジルバップはまさにこの例だったのか。

正面中央にあるレベルメーターがいい感じ。全体的に作りが安っぽい感じがしない。

テープのむき出しになっている面を下にする「正立透視型」を採用。カセットデッキによくあるタイプがラジカセでも採用されたのだ。それだけでも本格的っぽい。テープのラベルが逆さまにならなくて見やすかった。

■以下、カタログより引用。
大きさ:幅475×高さ298×奥行128mm
重さ:7kg
スピーカー:16cmウファー、5cmツィーターの2ウェイ×2
実用最大出力:総合4W(2W+2W EIAJ/DC)
周波数特性:ノーマル 50〜10,000Hz Fe-Cr 50〜13,000Hz

ジルバップマークⅡ

CFS-6500Ⅱ
昭和53年発売。
定価59,800円。

初代ジルバップの正統進化。
デザインは初代と変わらない。大きさも重さも一緒。出力が初代4W→6Wにパワーアップした。


■以下、カタログより引用。
大きさ:幅475×高さ298×奥行128mm
重さ:7kg
スピーカー:16cmウファー、5cmツィーターの2ウェイ×2
実用最大出力:総合6W(3W+3W EIAJ/DC)
周波数特性:ノーマル 50〜10,000Hz Fe-Cr 50〜13,000Hz

ジルバップデラックス

CFS-6600
昭和53年発売。
定価65,800円。

デラックスの名の通り、ジルバップマークⅡを豪華にした感じのラジカセだ。大きく重くなっている。
それだけではなく、側面が木製キャビネットになっている。
スピーカーのカバーにネットを張っている。
ラジカセだけどデザイン的にはシステムコンポだ。
性能は初代からあんまり変わってないようなので、デザインが気に入った人向けの製品だ。


■以下、カタログより引用。
大きさ:幅520×高さ309×奥行135mm
重さ:8.1kg
スピーカー:16cmウファー、5cmツィーターの2ウェイ×2
実用最大出力:総合6W(3W+3W EIAJ/DC)
周波数特性:ノーマル 50〜10,000Hz Fe-Cr 50〜13,000Hz

ジルバップWW

CFS-70
昭和54年2月発売。
39,800円。

ジルバップRRと同時期に発売された普及機。値段が一気に安くなった。
WWの名前の由来は総合出力が4W+4WのWWからとった。パワーが特徴ってことだ。大出力を誇るも、それを抑えるパワーセイブスイッチもついていて、大出力を必要としないときは半分の2W+2Wにできる。
デザインはなんてことのない普通のラジカセに見える。
RR同様、ジルバップとして初めてレベルメーターが針からLEDになった。


■以下、カタログより引用。
大きさ:幅450×高さ250×奥行115mm
重さ:4.8kg
スピーカー:12cmウファー、5cmツィーターの2ウェイ×2
実用最大出力:総合8W(4W+4W EIAJ/DC)
周波数特性:80〜8,000kHz
ワウフラッター:0.15WRMS

ジルバップRR

CFS-D3
昭和54年2月発売。
39,800円。

ジルバップWWと同時期に発売された普及機。
RRの名前の由来はRusuRokuからだが、こじつけっぽい。特徴はクォーツロック内臓で、タイマーでテープを再生したりラジオを録音したりできる。ジルバップというよりサースリーの廉価版っぽい。型番もDでつながっている。サーの称号を受ける条件が揃ってなかったので、ジルバップの名に甘んじたのか。
大きさはWWと一緒。


■以下、カタログより引用。
大きさ:幅450×高さ250×奥行115mm
重さ:4.3kg
スピーカー:12cm×2
実用最大出力:総合4W(2W+2W EIAJ/DC)
周波数特性:80〜8,000kHz
ワウフラッター:0.15WRMS

ジルバップTV

CFS-V1
昭和54年3月発売。
定価49,800円。

ジャッカルというラテカセもあったし、ジルバップTVと書かれていると、ジルバップにテレビがついたかと思う。だがしかし、ジルバップにテレビがついたわけではない。
この頃テレビが音声多重化され、ステレオ放送が可能になった。
このテレビ音声を聞くことができるということだ。ラジカセの音源はラジオやレコードプレーヤーだったが、テレビ放送がこれに加わったのだ。
カタログもよく見ると、TVの下に小さくSOUNDと書かれている。


■以下、カタログより引用。
大きさ:幅436×高さ233×奥行124mm
重さ:5.4kg
スピーカー:12cmウファー、5cmツィーターの2ウェイ×2
実用最大出力:総合4W(2W+2W EIAJ/DC)
周波数特性:ノーマル 50〜9,000Hz CrO2 50〜12,000Hz
ワウフラッター:0.28WRMS

ジルバップNew Age

CFS-V8
昭和54年6月発売。
定価69,800円。

ちょっと低価格に走ったジルバップ、一新する意味でNew Ageを名乗ったのか。
ジルバップにしては久々の高価格機。同時期のサースリーが先進性をセールスポイントとしているなら、こちらはオーソドックスに音質の向上を狙っていたように思う。中音用スコーカーとやらを加えて3ウェイスピーカーとなったのだ。

TVサウンドチューナー搭載、レベルメーターは10連LED、総合出力は7W。RRのタイマー以外、下位のジルバップの機能はすべて搭載しているような機種。
値段からしてついてもよさそうなドルビーNRは未搭載。
これまで一番大きかったジルバップデラックスより幅は15mm高さは8mm奥行は22mm大きい。
重さも0.1kg重い。
ジルバップ史上最大にして最高価格の機種だ。だがジルバップらしく、最高価格のラジカセは他にある。

この時のカタログには初代ジルバップ以外のジルバップ6機種が載っている。

■以下、カタログより引用。
大きさ:幅535×高さ317×奥行157mm
重さ:8.2kg
スピーカー:16cmウファー、5cmスコーカー、5cmツィーターの3ウェイ×2
実用最大出力:総合7W(3.5W+3.5W EIAJ/DC)

ジルバップMX

CFS-V3
昭和55年2月発売。
定価59,800円。

最後のジルバップ。
ジルバップTVの進化版と言えそうな機種。テレビの音声受信と3重ミキシングが主な特徴だ。
TVを名乗らずMXを名乗る。マルチプレックスのMXか。
従来のジルバップとは関係なさそうなデザイン。前面に段差がついている。同時期のメタルXYZっぽい。


■以下、カタログより引用。
大きさ:幅512×高さ245×奥行109mm
重さ:5.4kg
スピーカー:12cmウファー、5cmツィーターの2ウェイ×2
実用最大出力:総合7W(3.5W+3.5aW EIAJ/DC)

まとめ

以上、ジルバップは全部で8機種が発売された。
一番高いのはNew Ageの69,800円。
逆に一番安いのはWWとRRの39,800円。
結構幅広く品揃えしていた。

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〈関連ページ〉

ソニーのステレオラジカセ・サースリー